掃除や片付けは、多くの人にとって億劫な家事のひとつです。「やりたいとは思っているけど、なかなか手が進まない」「どこから手をつけていいか分からない」と感じている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、掃除や片付けが苦手な方でも実践できる、「億劫な家事」を「楽しい時間」に変えるためのマインドセットを、専門家の視点からご紹介します。思考のパターンを変えることで、あなたの掃除・片付けに対する意識は劇的に変わるはずです。
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- 元某有名掃除会社8年勤務
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元某有名掃除会社8年勤務
プロの掃除人が教える!日々の生活に使える掃除や収納のライフハックを発信しています。ぜひ参考にしてください!
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掃除・片付けの「負のループ」を断ち切る3つのマインドセット

なぜ掃除・片付けは億劫になりがちなんでしょうか?そこには、多くの人が陥りがちな「負のループ」が存在します。このループを断ち切ることが、前向きに取り組むための第一歩です。
【マインドセット1】完璧主義を捨てる「60点主義」のススメ
「どうせやるなら徹底的にキレイにしたい」という完璧主義の思考は、逆にあなたの行動を妨げる原因になります。なぜなら、完璧を目指すあまり、始めるハードルが上がりすぎてしまうからです。
そこでおすすめなのが「60点主義」です。
たとえば、「キッチンのシンクだけを磨く」「リビングの床をクイックルワイパーでサッと拭く」など、「これならできる!」と思える小さな目標を設定してみましょう。完璧でなくても、まずは行動する。その小さな一歩が、習慣へとつながります。
【マインドセット2】未来の自分へのプレゼントと捉える
掃除・片付けは、ついついやらなければならない義務と考えがちです。しかし、この考え方を変えるだけで、驚くほど行動がスムーズになります。
掃除は、散らかった部屋に住む未来の自分を助けるための行動だと考えてみてください。たとえば、朝起きたときにキレイなキッチンを見ると、気分が良く一日をスタートできますよね。これは、昨晩のあなたが朝の自分にくれた「プレゼント」です。
【マインドセット3】やらない理由ではなくやる理由を見つける
人は、やらない理由を探す天才です。「時間がない」「疲れている」「道具がない」など、やらない理由はいくらでも見つかります。
この思考パターンを「やる理由」を探すことに切り替えてみましょう。
「部屋がキレイになったら友達を気軽に呼べる」「週末に探していたものがすぐに見つかる」「ホコリが減ってアレルギーが楽になる」など、掃除・片付けをした後のメリットを具体的に考えてみてください。やる理由が明確になれば、自然と行動につながります。
効率的な掃除・片付けを実現する思考法

マインドセットが変わったら、次は具体的な行動を後押しする思考法を身につけましょう。これらの思考法は、無駄な労力を減らし、効率的に家事を進めるための強力な武器となります。
部屋を使う場所と収納する場所に分ける
掃除・片付けの基本は、モノの住所を決めることです。モノが散らかる原因の多くは、「置き場所が決まっていない」ことにあります。
まず、部屋を「使う場所」と「収納する場所」に分け、それぞれの場所に置くモノを明確にしましょう。たとえば、ダイニングテーブルの上は「使う場所」なので、食事や作業に必要なモノ以外は置かないようにする、といったルールを設けます。

「ついで掃除」で習慣化する仕組みを作る
「掃除はまとめて一気にやるもの」と思っていませんか?これでは時間も労力もかかり、始めるのが億劫になってしまいます。
おすすめは、「ついで掃除」を習慣化することです。たとえば、
- 歯磨きが終わったら、洗面台の飛び散った水をサッと拭く
- 料理の待ち時間に、コンロ周りを拭く
- お風呂から出る前に、浴槽を軽くこすっておく
このように、日常生活の行動と掃除をセットにすることで、掃除が特別な時間ではなくなり、無理なく続けられるようになります。
片付けは「捨てる」から始めない
「片付け=捨てること」と捉えて、最初からモノを捨てようとすると、手が止まってしまうことがよくあります。なぜなら、捨てることには「本当に捨てていいのか?」という心理的なハードルが伴うからです。
まずは「すべて出す」ことから始めてみましょう。
クローゼットや引き出しの中身をすべて出し、今何を持っているのかを把握します。その上で、「よく使うモノ」「たまに使うモノ」「使わないモノ」に分けていくと、自然と必要なモノと不要なモノが見えてきます。
効率が上がる掃除・片付けグッズ3選

マインドセットと思考法が身についたら、次は行動を後押しする便利なグッズを取り入れてみましょう。手軽に使える道具を揃えることで、掃除・片付けはもっとラクに、楽しくなります。
1. ハンディタイプのフロアワイパー
掃除機を出すのが面倒に感じることはありませんか?そんな時は、ハンディタイプのフロアワイパーがおすすめです。
リビングの隅に置いておけば、気になった時にサッとホコリを拭き取ることができます。ウェットシートタイプを使えば、床のベタつきも簡単に解決。特別な時間を作らなくても、「ながら掃除」を習慣化するのに最適なアイテムです。
2. コードレスのミニクリーナー
ソファの隙間、棚の上、キーボードのホコリなど、細かい場所の掃除は億劫になりがちです。そんな時に活躍するのが、コードレスのミニクリーナーです。
軽量でコンパクトなので、片手でサッと手に取って掃除ができます。充電式で置き場所を選ばないので、リビングやダイニングに常備しておけば、いつでも手軽にキレイを保てます。
3. マグネット収納
散らかりがちなキッチンや洗面台は、マグネット収納を活用しましょう。
冷蔵庫の側面や洗濯機の側面に貼り付けて、調味料や洗剤、スプレーボトルなどを収納すれば、デッドスペースを有効活用できます。床や作業スペースにモノが置かれなくなるので、掃除もグッとラクになります。
専門家が実践する「モノと向き合う時間」の作り方

家の中を片付けたいと思っていても、忙しくてなかなか時間が取れない。そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
ここでは、片付けの専門家が実践する、忙しい毎日でも「モノと向き合う時間」を作り出すための具体的な方法をご紹介します。ほんの少しの工夫で、心も空間もすっきり軽くなる時間をつくりましょう。
所有するモノを「自分の人生の一部」と捉える
モノとの向き合い方を深く考えることで、無駄なモノを増やさない生活が送れるようになります。
「そのモノは、あなたの人生を豊かにしてくれているか?」と自問自答してみましょう。
たとえば、一度も着ていない服は、あなたの人生に貢献しているでしょうか。衝動買いした雑貨は、本当にあなたを幸せにしてくれているでしょうか。モノを「ただの所有物」ではなく「自分の人生を構成する要素」として捉えることで、本当に大切なモノだけを厳選して持つことができます。
定期的な「振り返りの時間」を設ける

新しい習慣を定着させるためには、定期的な振り返りが不可欠です。
週に一度、または月に一度など、掃除・片付けのための「振り返りの時間」を設けましょう。その時間に、
- 最近散らかってしまった場所はどこか?
- その原因は何か?
- 次の目標は何か?
などを考え、次の行動計画を立ててみてください。この習慣が、リバウンドを防ぎ、キレイな状態をキープする力になります。
「お気に入りの空間」を意識して作り出す
掃除・片付けを「義務」ではなく「創造」と捉えることで、モチベーションは格段に向上します。
「ここはカフェのように落ち着ける空間にしたい」「ここはホテルのようにスッキリとさせたい」など、理想の空間を具体的にイメージしてみましょう。そして、そのイメージに近づけるように掃除・片付けを進めてみてください。
自分の手でお気に入りの空間を作り出していく楽しさを感じられれば、掃除・片付けはもはや苦痛ではなく、ワクワクする時間へと変わっていくはずです。
掃除・片付けに関するQ&A

Q. 掃除と片付け、どちらから始めるべき?
A.まずは片付けから始めましょう。
モノが整理されていない状態では、掃除をしてもすぐに散らかってしまいます。モノの定位置を決め、床やテーブルの上からモノをなくすことから始めると、掃除が格段にラクになります。
Q. 家族が片付けてくれないときは?
A.一緒に片付けをする時間を設けたり、使うモノは使ったら元の場所に戻すといった簡単なルールを決めて、全員が守れるよう促しましょう。
また、キレイにしてくれてありがとうといった感謝の言葉を伝えることも効果的です。
Q. どんな掃除道具を揃えるべき?
A. まずは、サッと手に取れる手軽な掃除道具を揃えましょう。
ホコリ取り用のハンディモップや、床を拭くためのウェットシート、場所を選ばず使えるミニクリーナーなどがあると便利です。
まとめ

この記事では、掃除・片付けに対する意識を変えるためのマインドセットや思考法、そして手軽に使える便利なグッズをご紹介しました。大切なのは、「一度に完璧にすること」ではなく、「少しずつでもいいから、できることから始めること」です。
今日からこれらのマインドセットを意識して、億劫な掃除・片付けを、あなたの人生を豊かにする楽しい時間に変えていきましょう。