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毎日使う電子レンジは、私たちの食生活を支える欠かせないパートナーです。しかし、手軽で便利な反面、少し掃除を怠るとすぐに手強い汚れが溜まってしまいます。
「掃除してもなぜか臭いが取れない」「焦げ付きが固まってどうしようもない」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
実は、電子レンジの汚れには種類があり、それぞれの原因と性質に合ったアプローチをしなければ、効果的に落とすことはできません。この記事では、汚れの根本原因から科学的に理解し、家庭にある重曹やクエン酸といったナチュラルな洗浄剤の力を最大限に引き出すプロの掃除術を徹底解説します。
もう電子レンジの汚れに悩まない、清潔で快適なキッチンを手に入れましょう。
この記事の監修は

- 元某有名掃除会社8年勤務
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元某有名掃除会社8年勤務
プロの掃除人が教える!日々の生活に使える掃除や収納のライフハックを発信しています。ぜひ参考にしてください!
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まずは敵を知ることから!電子レンジが汚れる4つの根本原因

効果的な掃除は、汚れの正体を知ることから始まります。電子レンジ庫内特有の汚れは、主に以下の4つの原因によって発生します。これらの原因を理解することで、なぜその掃除方法が有効なのか、そしてどうすれば汚れを防げるのかが明確になります。
【原因1】食品の突沸による飛び散り
電子レンジ庫内汚れの最大の原因が、この「突沸」による食品の飛び散りです。
メカニズム: 電子レンジは、食品に含まれる水分をマイクロ波で振動させて加熱します。水は通常100℃で沸騰しますが、電子レンジでは容器の凹凸や気泡の核がない場合、液体のまま100℃以上の温度に達してしまうことがあります。この状態を「過加熱状態」と呼びます。
特に注意が必要な食品
- 卵、ウインナー、トマト
- カレーやミートソースなど粘度の高い液体
- 飲み物
【原因2】油分の気化と付着
肉や魚、揚げ物などを温めると、溶け出した油分が高温になって気化します。
食品から発生した油分を含んだ蒸気は、庫内全体に広がり、比較的温度の低い庫内の壁面や天井に触れることで、再び液体に戻ります。
この過程で、油分が薄い膜となって壁面に付着し、冷えることでベタベタした油汚れとなります。
【原因3】水蒸気が残すミネラルの結晶化
食品から出る水蒸気や、スチーム機能で使われる水には、水道水由来のミネラル分が含まれています。
この水分が蒸発する際に、水だけが気体となって飛び、溶けていたカルシウムやマグネシウムといったミネラル分だけが庫内に残ります。これが白く固まった水垢となります。
この水垢はアルカリ性の性質を持ち、ザラザラとした手触りが特徴です。特にスチーム機能付きの電子レンジを使用している場合、この汚れは避けられません。
【原因4】汚れの炭化による焦げ付き
飛び散った食品カス(特に糖分やタンパク質)や油汚れが、掃除されないまま放置されると、その後の加熱のたびに繰り返し熱せられます。
この繰り返される加熱によって、汚れが化学変化を起こし、有機物が分解されて炭化します。
炭化すると、汚れは黒く硬い焦げ付きへと変化し、洗剤だけでは溶けにくい非常に頑固な汚れとなります。
なぜ電子レンジの汚れは放置してはいけないのか?3つのリスク

少しの汚れなら大丈夫と安易に考えて放置してしまうと、思わぬトラブルにつながる可能性があります。これらのリスクを理解し、安全に電子レンジを使用しましょう。
【リスク1】発火・火災の危険性
炭化した汚れは、マイクロ波を効率よく吸収します。そのため、汚れにマイクロ波が集中すると、部分的に異常な高温となり、火花が散ったり、最悪の場合は発火したりする危険性があります。
この現象はアーク放電と呼ばれ、庫内を焦がしたり、電子レンジ本体の故障に繋がったりする重大なトラブルです。安全に使うためにも、焦げ付きの放置は絶対にやめましょう。
キッチンは、電子レンジに限らず火事が起きやすいエリアが比較的多くあります。適切な掃除・判断で綺麗に保ちましょう。

【リスク2】加熱効率の低下と電気代のロス
電子レンジは、マイクロ波によって食品内部の水分を振動させて加熱します。しかし、庫内に付着した汚れは、この温めたい食品に届くはずのマイクロ波を吸収してしまいます。
これにより、マイクロ波が分散し、加熱効率が著しく低下します。結果として、設定した時間では温めきれず、余計に加熱する時間がかかることで電気代の無駄遣いに繋がります。
【リスク3】雑菌の繁殖と悪臭
食品のカスや油汚れは、雑菌にとって絶好の栄養源です。電子レンジ庫内は、加熱によって一時的に高温多湿な状態になるため、雑菌が繁殖しやすい環境です。
雑菌が繁殖すると、食品の分解過程で嫌な臭いを発生させる原因となります。不衛生な状態は、食品の風味を損なうことにもなりかねません。
掃除を始める前に!必ず守るべき3つの準備と注意点

安全かつ効率的に掃除を行うために、必ず以下の準備をしてください。万が一の時に備え、十分に気を配りながら作業を開始すると効率的かつ簡単に進めることが出来ます。
最悪の場合火災・けがなどを追う場合があるので絶対に確認してください。
電源プラグを抜く
感電や誤作動を防ぐため、掃除を始める前には必ず電源プラグをコンセントから抜いてください。これは最も重要な安全対策です。万が一、掃除中に電子レンジが作動してしまうと、感電や怪我、火災の危険があります。
庫内が冷めていることを確認する
加熱直後の庫内は非常に高温です。やけどを防ぐため、必ず庫内が完全に冷めてから掃除を始めてください。触ってみて、庫内の壁面やターンテーブルが熱くないことを確認しましょう。
掃除に使う道具を揃える
以下の道具をあらかじめ揃えておくと、スムーズに作業を進められます。
- 重曹、クエン酸(またはセスキ炭酸ソーダ)
- 耐熱容器(陶器やガラス製)
- 布巾やキッチンペーパー(複数枚)
- ゴム手袋(手荒れ防止)
- (頑固な汚れ用に)プラスチック製のヘラやカード(定規、ポイントカードなど)
\プロがおすすめするゴム手袋/
【汚れの正体を科学する】電子レンジ汚れの種類と最適なアプローチ

汚れの性質を理解し、適切な洗剤を選ぶことが成功の鍵です。汚れは大きく「酸性」と「アルカリ性」に分けられます。
① 酸性の汚れ
ベタベタした蓄積汚れ。時間が経つと酸化して頑固な黄ばみや臭いの原因になります。 最適なアルカリ性の洗浄剤による中和と分解します。
アルカリ性の洗浄剤は、酸性の油を、水に溶けやすい石鹸のような性質に変化させます。この化学反応によって、汚れが剥がれやすくなります。

② アルカリ性の汚れ
水道水のミネラルが固まった白いウロコ状の汚れ。ザラザラしているのが特徴です。
酸性の洗浄剤でミネラルを中和分解して溶かします。水垢はアルカリ性なので、逆の性質を持つ酸性洗剤が効果的です。
③ 頑固な汚れ
食品カスや油が炭化したもの。非常に硬く、洗剤だけでは落としにくいです。
アルカリ性洗浄剤でのパックで汚れを柔らかくし、物理的な力(ヘラなど)を組み合わせて剥がし落とします。
- 重曹ペーストでパック
重曹と少量の水を混ぜてペースト状にし、焦げ付き部分に直接塗りつけます。 - ラップで湿布
乾燥を防ぐため、上からラップをかけて30分~1時間ほど放置します。 - 物理的に剥がす
時間が経ったらラップを剥がし、使わなくなったプラスチック製のカードやヘラで、庫内を傷つけないように優しく削ぎ落とします。 - 仕上げ拭き
最後に濡らした布巾で汚れと洗剤をきれいに拭き取ります。
④ 複合的な悩み:嫌な臭い
食品臭の付着、汚れの腐敗、カビなど原因は様々。まずは原因となる汚れの除去が不可欠です。
原因となる汚れを除去した上で、消臭効果のある成分(クエン酸、レモン、茶殻など)を活用します。
- レモンの皮や柑橘類
レモンの皮や、スライスしたレモンを数切れ、少量の水と一緒にお皿に乗せて2~3分加熱します。柑橘系の爽やかな香りが庫内に広がります。 - コーヒーかす・茶殻
乾燥させたコーヒーかすや緑茶の茶殻を耐熱皿に広げ、ラップをせずに2~3分加熱します。多孔質な構造が臭いを吸着してくれます。
【ナチュラルクリーニング】基本の掃除方法3選|洗剤の化学作用を理解して使い分ける

ここからは、家庭にある身近なアイテムを使った具体的な掃除方法をご紹介します。それぞれの洗剤がなぜ効果的なのか、化学的な視点から解説します。
【油汚れに】重曹を使った掃除法(アルカリ性アプローチ)
なぜ効くの? 重曹(炭酸水素ナトリウム, NaHCO3)は、水に溶けると弱いアルカリ性を示します。このアルカリ性が、酸性の油汚れ(脂肪酸)を中和し、鹸化作用によって水に溶けやすい石鹸のような物質(脂肪酸ナトリウム)に変化させます。さらに、加熱によって発生する蒸気が汚れをふやかし、化学反応で生じる二酸化炭素の細かな泡が汚れを浮かせて剥がしやすくする仕組みです。
準備するもの:
- 重曹 大さじ1
- 水 200ml
- 耐熱容器
- 布巾
手順:
- 耐熱容器に重曹と水を入れ、よく混ぜて溶かします。
- 電子レンジに入れ、500W~600Wで3~5分加熱し、蒸気を発生させます。
- 加熱後すぐにドアを開けず、**10~15分ほど蒸らして汚れをふやかします。**この「蒸らし時間」が最も重要です。
- 電源プラグを抜き、容器を取り出します。
- 庫内の水滴を布巾で拭き取ります。汚れが残っている部分は、布巾に重曹水を含ませて優しく擦ります。
注意点:
- アルミ製の容器は変色の恐れがあるため使用しないでください。
【水垢・臭いに】クエン酸を使った掃除法(酸性アプローチ)

なぜ効くの? クエン酸は、その名の通り酸性の性質を持っています。この酸性が、アルカリ性の水垢(炭酸カルシウム, CaCO3)やミネラル汚れを中和分解して溶かします。具体的には、クエン酸と炭酸カルシウムが反応して、水と二酸化炭素とクエン酸カルシウムに分解されます。また、酸性の環境は雑菌の繁殖を抑えるため、消臭効果も期待できます。
準備するもの:
- クエン酸 大さじ1
- 水 200ml
- 耐熱容器
- 布巾
手順:
- 耐熱容器にクエン酸と水を入れ、よく混ぜて溶かします。
- 電子レンジに入れ、500W~600Wで3分ほど加熱します。
- 加熱後、10~15分蒸らします。
- 電源プラグを抜き、庫内を布巾で拭き上げます。
注意点:
- 塩素系の製品(ハイターなど)と絶対に混ぜないでください。有毒なガスが発生します。
【もっと強力な油汚れに】セスキ炭酸ソーダを使った掃除法
なぜ効くの? セスキ炭酸ソーダ(炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムの複塩)は、重曹よりもアルカリ度数が高いのが特徴です。pH値で比較すると、重曹が約8.2に対し、セスキ炭酸ソーダは約9.8と高めです。そのため、油やタンパク質汚れに対する分解能力が非常に高く、重曹で落ちない頑固な油汚れに効果的です。
準備するもの:
- セスキ炭酸ソーダ 小さじ1
- 水 200ml
- 耐熱容器
- 布巾
手順:
- 重曹を使った掃除法と基本的に同じです。セスキ炭酸ソーダは水に溶けやすい性質があります。
注意点:
- アルカリ性が強いため、肌が弱い方は必ずゴム手袋を使用してください。
毎日をラクにする!電子レンジを汚さないための新・掃除習慣

頑固な汚れとの格闘を避ける最善の方法は、そもそも「汚れを溜めない」ことです。大掃除の手間を過去のものにするために、今日から始められる3つの簡単な新習慣をご紹介します。これは面倒な「掃除」というより、未来の自分をラクにするための「ひと工夫」です。
習慣1:使うたび10秒!「ついで拭き」で汚れをリセット
最も効果的で、最も簡単な習慣がこれです。食品を温め終わって取り出したその「ついで」に、庫内をサッと一拭きしましょう。
なぜ効果的?
温め直後の庫内は、食品から出た蒸気で汚れがふやけているゴールデンタイムです。油汚れも食品カスもまだ柔らかく、力を入れなくても簡単に拭き取れます。ここでリセットすれば、汚れが乾燥して固着したり、炭化して焦げ付いたりするのを防げます。
継続のコツ
電子レンジのすぐ近くにレンジ専用布巾やキッチンペーパーとアルコールスプレーを常備しておきましょう。拭くという行為へのハードルがぐっと下がり、歯磨きのように無意識の習慣になります。
習慣2:調理のひと工夫!カバー活用で「飛び散り」を未然に防ぐ

汚れの最大の原因である「食品の飛び散り」は、調理のひと工夫でほぼ100%防ぐことができます。庫内を汚さない「バリア」を張ることを意識しましょう。
具体策:
- ラップをふんわりかける: 蒸気の逃げ道を確保しつつ、飛び散りをしっかりガードします。ただし、ラップの密閉性が高いと、内部の圧力が高まり破裂する危険があるため、適度に隙間を開けることが重要です。
- 電子レンジ用カバーを使う: 100円ショップなどでも手軽に購入できます。洗って繰り返し使えるため経済的で、ラップを都度消費する罪悪感もありません。
- 深めの耐熱容器を選ぶ: 汁物などを温める際は、容量に余裕のある深めの容器を使うだけでも、壁面への飛び散りを大幅に減らせます。
習慣3:週に一度の「蒸気リセット」で臭いとサヨナラ
週末のキッチンリセットの仕上げとして、簡単な「蒸気クリーニング」を習慣にすることをおすすめします。こびりつく一歩手前の軽い汚れや、こもった臭いを手軽に一掃できます。
手順:
- コップや小さな耐熱容器に半分ほど水を入れる。
- それを電子レンジの中央に置き、500W~600Wで2~3分加熱する。
- 加熱後、ドアを閉めたまま5分ほど待ち、蒸気で庫内をしっかり潤す。
- 電源プラグが抜いてあることを確認し、清潔な布巾で庫内の水滴を拭き取る。
効果: この簡単な一手間だけで、見えない油の粒子や臭いの元を拭い去ることができます。お好みで、水にレモンの輪切りを1枚浮かべれば、消臭と同時に爽やかな香りが広がります。
見落としがちな「ドアの隙間」や「外側」の掃除

庫内の掃除だけでなく、意外と汚れているのがドアの隙間や外側です。ここも定期的に掃除して、清潔感を保ちましょう。
- ドアの隙間: 割り箸や爪楊枝の先にキッチンペーパーを巻きつけ、薄めた中性洗剤を含ませて隙間の汚れをかき出します。
- 外側・取っ手: 手垢などの油汚れが主なため、重曹水を布巾に含ませて拭くと効果的です。最後に水拭きと乾拭きで仕上げます。
【危険!】故障や事故につながる電子レンジのNG掃除法

誤った掃除は、電子レンジの故障や思わぬ事故の原因となります。以下のNG行動は絶対に避けてください。
【NG1】塩素系・酸素系漂白剤の使用
塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)は、酸性の洗剤と混ざると有毒な塩素ガスを発生させます。また、酸素系漂白剤も、庫内の金属部分を酸化させ、サビを発生させる原因となります。これらは絶対に庫内の掃除に使用しないでください。
【NG2】シンナー・ベンジンなどの有機溶剤の使用
シンナーやベンジン、アセトンなどの有機溶剤は、庫内の塗装やコーティングを剥がしたり、プラスチック部品を溶かしたりする原因になります。これにより、マイクロ波が正しく反射されず、故障や発火のリスクが高まります。
【NG3】硬いタワシや研磨剤入りクレンザーで擦る
庫内の表面は、マイクロ波を反射するための特殊なコーティングが施されている場合があります。硬いタワシや研磨剤入りのクレンザーで強く擦ると、このコーティングに傷をつけてしまいます。その傷に汚れが入り込んで落としにくくなるだけでなく、傷の隙間でマイクロ波が集中し、火花の原因となり大変危険です。
【NG4】本体に直接水をかける
電子レンジは精密な電気製品です。内部の電気部品に水がかかると、感電やショートによる故障、最悪の場合は火災のリスクがあります。 掃除の際は、必ず濡らした布巾を固く絞って拭くようにしましょう。
プロに頼るのもあり!キッチンの頑固な汚れとサヨナラ

「長年溜まった頑固な油汚れや、手の届かない換気扇の奥。自力で掃除するのは時間も手間もかかり、挫折してしまった…」そんな時は、キッチン掃除のプロに頼ってみるのも一つの手です。
専門業者に依頼するメリット
- 長年の汚れも徹底的に洗浄: プロは強力な業務用洗剤や専用の道具を使い、自力では落とせないような頑固な汚れもきれいに落とします。
- 分解清掃も安心: 特に換気扇や食洗機などは、分解が必要なケースが多く、素人には難しい場所です。プロなら安全かつ確実に分解・洗浄してくれます。
- 掃除にかける時間を有効活用: 自分の貴重な時間を、家事以外の趣味や家族との時間に使うことができます。
業者を選ぶ際のポイント
いざ業者に依頼しようと思っても、どこを選べばいいか迷いますよね。後悔しないために、以下のポイントをチェックしましょう。
- 料金体系が明確であるか: 事前に見積もりを依頼し、追加料金が発生しないか確認しましょう。
- 口コミや評判が良いか: 過去に利用した人の評価は、サービス内容を知る上で非常に参考になります。
- 損害保険に加入しているか: 万が一、掃除中に家財が破損した場合に備え、損害保険に加入している業者を選びましょう。
まとめ

この記事でご紹介した安全で効果的な掃除を実践し、毎日の調理がもっと楽しくなるような、清潔で快適なキッチンを維持しましょう。
日々の予防を習慣にすれば、もう大掃除で頭を悩ませることはなくなります。
あなたのお家の電子レンジは、今どんな状態ですか?この記事で紹介した方法で、一度徹底的にリセットしてみてはいかがでしょうか。